密恋~貴方に触れたくて~
こんなにも簡単に友達なんて出来てしまうものなの?

私は不思議だった

今まで、私には友達と呼べる人は誰も居なかった

小学校の時も、中学と高校も友達なんて出来なくて、いつだって一人ぼっち

教科書に書かれたブスって文字

机の中にゴミさえ入れられた事もあった

靴を隠されたり、クラスの誰も話しかけてくれなかった

ダサい制服を脱ぎ、兄に言われて自分を変えただけで友達が出来る

嬉しい事なのに、今までの私は何だったんだろうと言う疑問が浮かぶ

お洒落な服を着て、髪型を変えただけなのに中身は変わっていない

外見だけで人は寄って来るものなの?

私の性格は?

今までの全てを否定されたような気持ちが込み上げてくる


「どうしたの?」


そんな私の態度を不思議に思ったのか、莉子が私に尋ねてきた

私は話そうか迷いながらも、私の思っている事を素直にぶつけてみたのだった

もしかしたら、折角私に声をかけてくれ、こんな私に友達になろうと言ってくれた人を失うかも知れない

そんな不安が過ぎったけど、それでも私はゆっくりとした口調で思っていた事を話したのだった










「バカだねぇ~
 そりゃ~悠璃が可愛いから、周りが嫉妬して妬んでいたんだよ!!」

「そうそう、嫉妬だね!!
 こんなに可愛くて、しかも頭は良いでしょ?
 私等こんなんでも、一応はT大生なんだしさ
 その上、悠璃は美人じゃん
 妬みの対象になるのは仕方がないね」

「でも、私達は悠璃の容姿で友達になろうって思ったんじゃないからね♪
 綺羅ちゃんから悠璃の話を聞いて、それで友達になりたいって思ったんだからね♪」


莉子、小乃葉、仁美ちん

それぞれが、私が話した事に応えてくれて私は思わず涙が出てしまった


「な、何泣いてんのよ~
 感激しちゃったって訳?
 まいったな~」


よしよしっと言った感じで、私の頭を撫でてくれたのは小乃葉だった

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