密恋~貴方に触れたくて~
それから私達は桜並木の通りにあるベンチに移動し、色んな事を話した

莉子はネイルが大好きな女の子で、顔立ちが濃いから化粧をすると派手になるのが悩みみたいで、それから自分で性格は個性的だって言っていた

小乃葉はバンドやってる彼氏がいて、彼氏に合わせて髪型やピアスが変わるらしく、土日はライブハウス通いをしていて、性格は自分で激しいヤツだって言っていた

仁美ちんはレースや可愛いものに弱いらしく、実は男だって言うのには吃驚した

仁美ちん、本名は中嶋剛

自分が女だと目覚めたのは、3つの頃からだったらしい

フリルとかが大好きで、ズボンよりスカートを穿きたくて大泣きしては親を困らせたって言っていた

仁美ちんが男だなんて、私は全く気付かなかったけど、莉子も小乃葉も高校からの知り合いだったし、何だかんだと仁美ちんとは話が合うって感じで仲良くなったみたいだ


「こんな私の事、悠璃はイヤ?」

「えっ?
 何で?
 嫌じゃないよ~
 寧ろ、そんな大事な事まで打ち明けてくれるなんて嬉しくって‥‥」


私は、またもや泣いてしまった


「悠璃って泣き虫なんだね~
 ほらほら、もう泣かないでお弁当を食べよう♪
 今日はサンドイッチと唐揚げ、何故かナポリタンまであったりして~♪」


仁美ちんに言われ、私は泣きながらサンドイッチを口に頬張った

それから他愛のない話をして、今は小乃葉の彼氏の話で盛り上がっている


「あっ‥‥」

「何?
 何か見つけた?」


桜並木の通りを桐生さんが友達と歩いているのを見かけ、思わず口に出してしまうと莉子が反応して聞いてきた


「ごめん‥‥
 サークルの申込み用紙を渡さなきゃいけないから、ちょっと行って来るね」

「了解~
 って、一人で大丈夫?」

「ん~
 私も頑張らなきゃ‥‥」


心配してくれる小乃葉

それに莉子や仁美ちんも、私を心配そうに見ていた

そんな3人に向かって笑顔を作ると、私は桐生さんの方に向かって走り出したのだった

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