密恋~貴方に触れたくて~
今まで勉強ばかりして来た

何をするのもトロくて、スポーツなんて不得意

校内マラソン大会だって後ろから数える方が早く、いつだってマラソン大会の再追試

球技大会のバレーボールをやれば、サーブのボールはネットまで届かないし、バスケットボールをすれば突き指してしまったり、体育祭ではみんなの笑い物

だから、私には友達なんて居なかった

つまらない子

根暗

そんな私につけられたあだ名は「暗子」

だけど、試験前だけは私に勉強を教えてくれと頼む同級生

NOとは言えない私は従うしかなかった

そうやって生きてきた18年間、誰一人として友達なんて呼べる人は誰も居なくて、いつだって俯いて歩いて来た

そんな私に、ついに友達が出来たんだ

そう思うと、毎日が楽しくて、綺羅と買い物に行ったり、一緒にご飯を食べたりする事は勿論だけど、カラオケも人生初体験をしてしまった

初めての友達

初めての世界

大学に入って、本当に良かったって思った


「問題があるとすれば、あとは悠璃の人見知りだよね!!
 極度の他人恐怖症
 それさえ治れば、もっと世界が変わるよ~」


っと言われましても、こればかりはなかなか‥‥ね

綺羅の言う事は、分かってる

分かってるんだけど、虐められていた経験から、どうしても初対面の人には構えてしまう

特に男性は苦手だ

唯一話せる人は、綺羅の彼氏さん

でも、返事を返すのが精一杯

ついビクビクして怯えてしまう

そんな綺羅の彼氏は2つ年上の伊集院幹太さん

同じ高校の先輩だったらしく、付き合って今年で3年目になるとか‥‥
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