密恋~貴方に触れたくて~
えっ?

テイクアウトじゃないの?

思わず頭が混乱して、あたふたしてしまう

そんな私を見て、ふっと口角を上げて笑みを浮かべた桐生先輩に、もう心臓を撃ち抜かれたような衝撃を胸に感じて、暑くてのぼせそうになってしまった


「シュガーとミルクを2つずつ」

「お2つずつですね
 お会計は750円になります
 ポイントカードはお持ちですか?」

「いや
 いい‥‥」


あっ、お金払わなきゃ

のぼせてる場合じゃない!!

私は鞄からお財布を取り出して支払おうとしたら、それより先に桐生先輩がお金を払ってしまったのだ

手にした千円札


「せ、先輩
 あの、これ‥‥」

「バーカ
 俺、女に払わせる気はねぇ~から‥‥
 それよか、先に二階の喫煙席に行ってろ」


差し出した千円だったのに、簡単に拒否られて喫煙席に行くように促されてしまった

確かお礼はコーヒーでって言ってたよね?

ちゃんと払わなきゃ‥‥

そう思って先輩にお金を渡そうとしたら、先輩に両肩を掴まれくるりと反転されて背中を押されてしまった私

仕方なく千円札を手に、先輩に言われた二階にある喫煙席に向かった

円卓の席と二人掛けの席

どっちが良いのか分からず、先輩と向かい合った席では緊張しちゃうから、私は円卓の席に座る事にした

はぁ~

吐き出される緊張の溜め息

胸に手を当てると、まだ胸がドキドキ高鳴りを示している

ど、どうしよう‥‥

先輩、もう来ちゃうよね?

そう思えば思う程に、更に激しく胸が高鳴り息苦しくって、しかも挙動不審状態

そわそわと階段を見たり、俯いて溜め息を吐いたり、視線は何処を見てるのかあっちこっちと泳いでしまってる

何を話せば良いの?

つまらないって思われたくない

でも話題なんてない






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