密恋~貴方に触れたくて~
ひとまず美咲ちゃんを急かすように、店長やスタッフに挨拶をしてバックルームから出ると、綺羅の待っているお店へと急いだ


「私に会わせたい人って、いつから待っててくれてるの?」

「ん~っとね‥‥
 私がアルバイトに行く前に別れたから‥‥
 ヤバい!!
 もう3時間以上も待たせちゃってるよ!!
 だ、大丈夫かな?」

「3時間以上も?
 へぇ~」


ニヤニヤと笑っている美咲ちゃん

何か、さっきから変な感じだなぁ~

アルバイトが終わるまで待っていてくれるって言っていたけど、こんなに待たせるなんて気が引けるよ

綺羅、怒ってないかな?

怒ってたらどうしよう‥‥

そんな事を考えながら、お店の前に到着して店内に入ると、携帯を弄っている綺羅を発見した


「綺羅!!
 ご、ごめんね‥‥」

「おっ!!
 お疲れ様♪
 悠璃、バイト頑張ってるみたいじゃん!!
 さっきお店を覗いてみたら、頑張ってるみたいでって感心しちゃったよ~」


綺羅、怒ってないみたい

寧ろ喜んでるみたいに、ニコニコ笑顔を見せてくれるから、ホッと一安心しちゃった


「そうだ!!
 美咲ちゃん、此方が大学の友達で上条綺羅さん
 でもって、此方がアルバイト先で仲良くしてくれてる池谷美咲ちゃん
 2人を紹介したかったんだ♪」

「会わせたい人って女の子だったの?
 私はてっきり‥‥」

「えっ?」

「あははははっ!!
 ごめんね~
 改めて池谷美咲です
 綺羅ちゃんて呼んで良いかな?
 宜しくね!!」


意味の分からない事を言ったと思ったら、いきなり笑い声を上げた美咲ちゃんに驚いていると、早く席にすわりなよって促されてしまい、私は美咲ちゃんの隣に腰掛けたのだった


「いらっしゃいませ♪
 ご注文は如何致しますか?」

「私はアイスカフェオレと苺のタルト
 悠ちゃんは?」

「私もアイスカフェオレと、あとはミルフィーユをお願いします♪」

「かしこまりました♪
 少々お待ちください」


可愛いエプロン姿の店員さんがお辞儀をして去るなり、美咲ちゃんは鞄から取り出した煙草に火を灯した

よく見れば、桐生先輩と同じ赤色の煙草の箱だ

思わず美咲ちゃんをジッと見つめていると、美咲ちゃんが私に煙草を差し出して来た

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