密恋~貴方に触れたくて~
緊張で足が震えてるのが自分でも分かる


「月城さんだったよね?
 今からスタッフルームに案内するから一緒について来て」

「は、はい!!」


頭の上から聞こえる女性スタッフの声に、返事を返した私は漸く頭を上げる事が出来た

すると、私に声を掛けて下さったスタッフであろう女性は、もうスタスタと歩き始めていて、私は慌てて彼女の方に小走りで追いかけたのだった


コンコン
「お疲れ様で~す
 店長、バイトの月城さんを連れて来ました」


STAFF ROOMと書かれた扉

その扉をノックしながら扉を開ける女性

そして、そのまま中に入ってしまった

えっと‥‥
私も入っていいんだよね?

ギュッと鞄を握り締め、その一歩を踏み出す


「し、失礼します」


入室前に頭を一度下げ、私はSTAFF ROOMの中に入ると、私を面接して下さった店長さんと目が合ってしまった


「きょ、今日からお世話になります月城悠璃でしゅ
 アルバイトは初めてで、なに、何も分かりませんが、よろ、宜しくお願いします」


緊張から、言葉が噛み噛み

自分でも何を言ってるか分からない


「そんなに緊張しなくても、もっと気楽に頑張ろうな!!
 取り敢えず、此れが月城君のエプロンと名札だから、そこのロッカーに荷物を入れて、貴重品だけ持って着替えて来てくれるかな?」

「はっ、はい!!」


店長に言われるままロッカーに向かうと、思わず大きく息を吐き出し緊張を解そうと試みた

えっと‥‥
どのロッカーを使用して良いのかな?

沢山ではないけど、ざっと見ただけで8人分のロッカーがある

しかも全部扉が閉まっていて、どうしようかと悩んでしまった

どれが空室ロッカーなんて分からないよ

全部開けて確かめる訳にはいかないし、店長に聞いた方が良いよね

そう思い振り返ると、真後ろに人が立っていた


「ごめ、ごめんなさい‥‥」

「何を謝ってんのよ!!
 ってか、ロッカーなんだけど私と同じロッカーで良い?
 此処って、全部埋まっちゃってるんだよね~
 そうそう、自己紹介がまだだったよね
 私、フリーターの池谷美咲
 こんなんでも、まだ19歳
 よろしくね♪」

「月城悠璃です
 宜しくお願いします」


こんなんでも?

それって大人っぽいって事だよね?

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