密恋~貴方に触れたくて~
私の1つ年上には見えないくらい落ち着いた雰囲気

羨ましいな~


「此処の連中、私が19だって誰も思ってないんだよね~
 まぁ~、この中で4年も働いんのって私だけだから一番の古株
 分からない事は何でも聞いてね♪
 職場では月城さんって呼ぶけど、悠ちゃんで良いよね?
 悠ちゃんはT大生なんだよね?
 私は高校だけなんだぁ~」


悠ちゃん?

そんな事を言われたのは初めてだ!!


「どうしたの?
 悠ちゃんって呼ばれるのが嫌だった?」

「いえいえ
 悠ちゃんなんて初めて呼ばれたので嬉しくって‥‥」

「はぁ?
 初めて?」

「わ、私‥‥
 対人恐怖症って言うか、極度の人見知りで、それを克服したくてバイトを始めたんです
 だから、友達も大学に入って産まれて初めて1人出来て、それなのにアルバイト先でも悠ちゃんなんて言ってくれる人に初めて出会えて感動してるって言うか‥‥
 なんか、すいません」

「いや~ん
 悠ちゃんってば、めっちゃ可愛い♪
 此れから私と悠ちゃんは友達
 私の事は美咲って呼んでね♪」


美咲?

そ、そんな呼び捨てなんて‥‥

思わず顔を横にプルプル振ってしまった


「出来ません!!
 美咲さんでは駄目ですか?」

「駄目!!」

「えぇぇぇぇ~」

「じゃあ、しょうがないな‥‥
 美咲ちゃん
 みーちゃん
 みさちゃん
 美咲
 このどれかから選んで!!」


選ぶ?

そ、そんな~

えっと‥‥
「じゃあ、美咲ちゃんでお願いします」

「OK!!
 悠ちゃんとは仲良くなれそう♪」


ニコっと笑顔を見せた美咲さん‥‥じゃなくて美咲ちゃん

そんな美咲ちゃんが私の指導係りをしてくれる事になって、覚える事は沢山あったけど、美咲ちゃんってば教え方が上手で、初日だって言うのに、私は一人でレジをさせてもらえるようになり、楽しく初バイトを終える事が出来た


「悠ちゃん
 時間があるならお茶して帰らない?」

「はい
 私は地元なんで大丈夫ですけど、美咲ちゃんは時間とか大丈夫なんですか?」

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