曖昧
「一度お互い冷静に考えてみても悪くないんじゃないかな?」
上手い具合に切り抜けたつもりだったが、男の目は違っていた。
「俺を誘ったのは佳奈の方だし礼儀としては交際するのが当たり前の流れだよな」
男の真剣な目に引き込まれそうになり危うく頷きそうになるが、
一度それが事実なのか千夏に確認したい。
覚えてないんだから仕方ないでしょう。
そう叫びたいが佳奈は意気消沈していた。
酒癖の悪さも人一倍
散々千夏と母に怒られてきた。