曖昧

 冷たい水が喉を潤し、空っぽのお腹を満たしてくれる。

「ご馳走様でした」

 佳奈はペットボトルを冷蔵庫に戻そうとして、

 その手を掴まれた。

 振り返ると見知らぬ顔の男

 誰?

 曖昧に微笑んで、

「昨夜はお世話になりました」

 一応頭を下げた。

 その間も思い出そうとするが全く思い出せない。
< 4 / 28 >

この作品をシェア

pagetop