曖昧


 大声上げて前を両手で隠してみても

 自慢の胸は隠しきれていない。

 ママの言葉を思い出す。

「佳奈絶対、裸族なんて、その癖だけは直した方がいいよ」

 真剣な顔が脳裏を霞めた。

「着たほうがいいんじゃない」

 男のクールな態度に腹が立つが

 佳奈はこそこそと

 男がトイレに行っている間

 服を身に着けた。
< 6 / 28 >

この作品をシェア

pagetop