曖昧

 関係持っちゃった?

 またか・・・嫌な気分になるがのんびり構えている時間はない。

 急ぎ玄関に向かうとハイヒールに足を入れ、

 ノブに手を掛けようとしたが、たくましい腕にその細い腕は掴まれた。

「ちょっと離してよ」

「待ててってまだ話し終わっちゃいないだろう」

 意味深なことを言われ首を傾げてしまう佳奈。

「なんの話し?」

「俺達付き合うのに連絡先すら交換してないだろう」

「そんなの知らないわよ。付き合う付き合わないは、

 お互い酔っていたんだから無効でしょう」

「今更そんな勝手な話しがあるか」

 イラついた男の声が響いた。

「ちょっと本当に離してよ。

 警察に電話するから、監禁されているって」

 大声を張り上げようとして口を塞がれたのは佳奈だった。
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