夢、戯れ






それを確認してから、瀧さんの研究する机を挟んで。すぐ目の前の小さな椅子に背を向けて座った。






聴こえるのは、瀧さんの捲る資料の音と臆病そうに刻む時計の針の音だけ





「(瀧、さん…)」






心の中で小さく呟く。

後ろできっと他に目もくれず研究している瀧さんの顔が浮かび、思わず頬が緩む






真っ白な壁、真っ白なデスク。ソファ、本棚。


白を基調として揃えられた必要最低限のものは、目の前で白を保っているのに






「暗、い」



窓の外の闇が支配し出して今にも白をのみこみそう





滑稽に、見えた。








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