同居人はNo.1ホストー3ー完
小さい頃のあたしは、お姉さん=大人と思っていた。
小さかったあたしは、大人になれば何でも出来ると思っていた。
今以上に、家の手伝いが出来たり料理だって……
だから、お姉さんになればママを楽にしてあげられる。
自分の為に夜遅くまで頑張って働いてくれるママを少しでも楽にしてあげれる……
そして、ママをパパから守ってあげられる……
いつも、ママはあたしを守ってくれる。
その度に、ママは体だけではなく心も傷付いて行った……
だから、あたしがお姉さんになれば……
ママに守ってもらうんじゃなく……
あたしが、ママを守ってあげられる……
そう思っていたあたしは……
早くお姉さんになりたかった。
少しでも……早くなりたくって。
そう強く思う程に、誕生日と言うものが待ち遠しくって仕方がなくって……
歳が、大きくなるにつれてその思いは強くなって行った。
だけど……
7歳の誕生日……あたしは、ママに祝ってもらうことはなくなった……
ママが、いなくなってから誕生日が嫌いになった。
誕生日が来る度に……自分の誕生日が嫌いになって……誕生日なんて……
なくなれば良い……そんなことばかり思っていた。
だけど……
クラスの子が誕生日を祝ってもらったり欲しかったプレゼントをもらって嬉しそうにしているのを見て本当は、羨ましくって仕方がなかった。
祝ってくれる人がいる……それだけで嬉しいことなんてない。
だから、尚希には誕生日パーティーに出て欲しい。