同居人はNo.1ホストー3ー完
似合わなくても、着崩してはいけない。
俺は、小野原財閥グループの跡取り息子。
周りからの信頼を持つ為には、性格も見た目も俺とは全く正反対な奴を演じなくてはならない。
慣れない着方をして、面白くなくても笑顔を振りまいて……正直疲れる。
しかも、今日のパーティーは俺が主役。
俺は、今日で21歳を迎えた。
当然、前回に行ったパーティーなんかより疲れる。
しかも、親父にも会うから余計に疲れが溜まる。
前回のパーティーでは、親父は不参加だった。
けど、今回は違う。
普段、親父は仕事が忙しいから重要なパーティーにしか参加しない。
親父が、いる上に婚約者の麗子までいるとか最悪だ。
「ハァ………」
これから、かったるいパーティーに出て愛想笑いする上に親父や麗子に会うんだと考えるだけで、ため息がこぼれる。
するとー………
ガチャ……
ドアが、開く音がして振り向くとー……
そこには、別人のように綺麗になっていた捺海がいた。
普段と違う捺海にドキドキする俺。
ストレートな髪ではなくクルリと巻いてある髪にメイクは、プロがやっただけあって、いつもより綺麗に見えてしまう。
細く白い肌によく合うピンクのドレスに光に反射してキラキラと輝くアクセサリー。
振り向いた時、捺海が別人のように見えた。
そんな捺海にドキっとしてしまった俺。
普段とは違う捺海にドキドキしている俺は、何を話していたのか全く覚えていない。