同居人はNo.1ホストー3ー完
(それでは、尚希様にお祝いの品を用意した方は、こちらにお並びください。)
司会者が、そう言うと会場にいた客達がゾロゾロと俺の方に向かって来た。
誕生日プレゼント…か……
この21年間……俺は、色々な誕生日プレゼントを貰って来た。
この会場や光景を見る度に思い出す。
子供も頃のことをー………
(おぉ、その方が小野原財閥グループの跡取り……)
(えぇ、そうですよ。
この子は、私の息子です。
ホラ、挨拶をしなさい尚希。)
まだ、小さかった俺は周りが怖かった。
自分より大きな体格に身長……そして俺を見る目。
その目は、何を思って何を企んでいるのか分からない目をしていた。
沢山の大人から沢山のプレゼントを貰って来た………けど、本当は嬉しくもなんともなかった。
自分と同い年の子供が、遊ぶようなおもちゃでも……キラキラと輝く宝石を貰っても全然嬉しくなかった。
小さい頃から、教育が厳しかった家庭に生まれた俺は、同い年の奴と遊んだことなんて一度もなかった。
周りは、いつも……大人で溢れていた。
毎日毎日、勉強と大人の相手をしているだけの毎日だった小さかった俺。
毎日が、退屈で本当は外で同い年の奴と遊びたくって仕方がなかった。
だけど、そんな俺でも楽しい一時があった。