同居人はNo.1ホストー3ー完
俺のおふくろは、昔から体が弱かった。
その上、俺を産んだせいで余計に体は弱くなった。
最初は、メシの後に毎日薬を飲んでいる生活だった。
けど、ある日……おふくろは突然倒れた。
俺の目の前で……
俺が、まだ6歳の時に。
おふくろが、倒れた……なのに、親父は見舞いに一度も来なかった。
何で、来ないかなんて小さい俺でも分かっていた。
二人は、夫婦であり夫婦ではない。
親父は、いつも仕事ばかりしている奴だった。
だから、俺は親父とほとんど会話をしていない。
そんな俺達を見て優しいおふくろは、誰よりも俺を可愛いがってくれた。
そして、おふくろは口癖のようによく言っていた。
(ねぇ、尚希はお父さんが好き??)
「ううん……だって、お父様……
お母様のこと嫌ってるんだもん。」
涙目になりながら俯いているとー……
俺の頭を優しく撫でた。
(そうね……あの人は仕事ばかりな人ね。
けどね……尚希。
私は、あの人のことを心から愛してるのよ。
仕事で、会えなくっても……
あの人を愛しているの。
いつか、分かるわ尚希にも。)
当然、小さかった俺にとっておふくろの話なんて全く分からなかった。