同居人はNo.1ホストー3ー完
忍び寄る影

尚希side








 






《またのご来店をお待ちしております》







店の外に出て派手な格好をしている客達を見送るホスト達。







真冬の夜は、とても寒く息を吐く程に白い煙が真っ黒な空にゆっくりと上がる。








あー……まじ寒い……何で、こんなクソ寒い冬の時期まで、客の見送りなんてしなくっちゃいけねぇーんだよ。








そんなことを心の中で、愚痴まくっているとー……








(尚希! 


俺、腹減ったぁー何か飯食いに行こうぜっ!みんなで)









徹夜は、そう言って店に戻る俺の後を追いかける。







見るからに徹夜は、この真冬の寒さにビクともしていない様子。







そんな徹夜は、まるで……野良犬のようだ。








「あー……どうすっかなー」


 




その時、一瞬……捺海の顔が頭に浮かんだ。







ポケットに入っている携帯を出し時刻を見ると夜の10時を回っていた。







もう、アイツ飯食ったかな……








そんなことを思いながら、携帯の画面を見つめているとー…… 









(なーに、ボーッとしてんだよ!!


あっ、もしかして捺海ちゃんのこと考えてた?)

 








< 147 / 561 >

この作品をシェア

pagetop