同居人はNo.1ホストー3ー完
忍び寄る影
尚希side
《またのご来店をお待ちしております》
店の外に出て派手な格好をしている客達を見送るホスト達。
真冬の夜は、とても寒く息を吐く程に白い煙が真っ黒な空にゆっくりと上がる。
あー……まじ寒い……何で、こんなクソ寒い冬の時期まで、客の見送りなんてしなくっちゃいけねぇーんだよ。
そんなことを心の中で、愚痴まくっているとー……
(尚希!
俺、腹減ったぁー何か飯食いに行こうぜっ!みんなで)
徹夜は、そう言って店に戻る俺の後を追いかける。
見るからに徹夜は、この真冬の寒さにビクともしていない様子。
そんな徹夜は、まるで……野良犬のようだ。
「あー……どうすっかなー」
その時、一瞬……捺海の顔が頭に浮かんだ。
ポケットに入っている携帯を出し時刻を見ると夜の10時を回っていた。
もう、アイツ飯食ったかな……
そんなことを思いながら、携帯の画面を見つめているとー……
(なーに、ボーッとしてんだよ!!
あっ、もしかして捺海ちゃんのこと考えてた?)