同居人はNo.1ホストー3ー完
(良かったわ、来てくれて。
もう、誰も来ないかと心配だったのよ)
女は、上がっていた肩を下げてため息をつく。
「あの……捺海は……」
女は、俺の顔を見てニッコリと微笑んだ。
(安心して、大丈夫よ。
擦り傷と頭を軽く打っただけよ。
命に別条はないわ)
「………そうですか……」
その言葉を聞いて今度は、俺が上がっていた肩が下がった。
(あの、失礼だけどアナタ……
捺海さんの彼氏??)
「はい……」
いきなり、そんなことを質問されて少し驚く。
(あのね、こう言うことは普通……
親御さんに報告するものなんだけど……
連絡が取れなくって。
アナタ、何かしらない??)
「いえ……」
女の質問に俺は、ハッとした。
そうだ……そう言えば俺………
コイツの家族のこと何一つ知らない。
家族のこと……
両親のことも……