同居人はNo.1ホストー3ー完
俺達、同じ家に一緒に住んでんのにお互いに何一つ知らない。
今まで、全く気にしてなかった。
考えてみれば、直ぐ分かることなのに。
ガラッ……
診察室を出て捺海がいる病室に入る。
捺海が、寝ているベッドの直ぐ横にある椅子に座る俺。
「…………捺海………」
ギュッ……
俺は、捺海の手を取り握り締めた。
「ちいせぇー手……」
なぁ、捺海……
早く目覚ませよ……
早くお前の声が、聞きてぇーんだ……
早くお前のその……小さな体を抱き締めてやりてぇーんだ…………
「本当、俺……お前に振り回されてばかりだな。
あんな気持ちになったのもお前が、初めてだ。
本当…………
お前には、かなわねぇな……」