同居人はNo.1ホストー3ー完
あたしが、小さく呟くと尚希は何も言わずにあたしの方に手を伸ばして来た。
尚希を目の前にしたあたしは、当然ホッとした。
だから、尚希の手が伸びて来た時……
あたしは、強く抱き締めてくれると思った。
そう思ったあたしは、尚希の方にゆっくりと手を伸ばした。
「尚ー……」
ムギュッ……
「いっ、いひゃぃ!
何、しゅんの!?この、アフォ!!」
そう、尚希はあたしを抱き締めるのではなく………
あたしの頬をつねって来たのです。
しかも、久々のメッチャ……!!
痛いやつ。
「うっせー、バーカ」
尚希の眠そうな表情は、消えいつもの不機嫌な表情に変わっていた。
すると、尚希は掴んでいた頬をスッと離した。
尚希のつねりから解放されたあたしは、直ぐに口を開いた。
「なっ、馬鹿ぁ!?
あたし、事故にあったんだよ!!
しかも、ゲ・ガ・に・ん!!!!」
普通はさっ、好きな人とか彼女が事故にあって目覚めたら普通は、抱き締めてくれたり安心したりするもんでしょぉ!?