同居人はNo.1ホストー3ー完
薄暗い寝室にカチカチと針が、進む音が響き渡り夜に出る月は、とても綺麗に光り輝いていた。
人の体温で、温かくなったシーツにあたしを抱き締めている尚希の温もりと甘い香り。
「ねぇ……尚希」
「何んだよ?」
あたしは、尚希に強く抱き締められたまま話しかける。
薄暗い寝室にいるから、尚希の顔はハッキリとよく見えない。
「尚希はさ……今の仕事好き?」
「まぁ……それなりに」
あたしの質問に何とも不器用な答えを出す。
「じゃあ……尚希はさっ、春綺君達のこと好き?」
すると、あたしの頬に尚希の大きく温かい手が伝わった。
「好きって言うか……いるのが、当たり前に感じてたからよく分かんねぇー」
当たり前ってこては……好きってことだよね……きっと。
「まぁ、今の仕事してるから……アイツらに出会えたんだけど」
「そうだね」
やっぱり、尚希は……今の仕事にやりがいを持っていて……春綺達のことを大切に思っているんだ。