同居人はNo.1ホストー3ー完









そして、とうとう……尚希と別れる日が来てしまった。








壁に掛かっている時計の針が、動く度にカチカチと鳴る。







その音を聞く度にあたしの気持ちは、焦り落ち着きがなくなる。







あたしは、それを誤魔化す為にー……
 






「ねぇ、今日って仕事休みなの?」







ソファーに座り隣で、雑誌を読んでいる尚希をチラッと見て聞く。







「昨日、言ったじゃねぇーか。


明日は、休みだって」







あれ……そうだっけ……





全くって言って言い程、覚えていない。







「そっか……」







じゃあ、後……




もう少しだけ一緒にいれられるのか。






最後くらい……良いよね? 





素直になっても。







あたしは、何も言わずに尚希の肩に寄っかかる。







そんな、あたしの行動に少しだけ驚いた表情を見せる尚希。








「何だ、今日は随分と積極的だな」






今日は……か……







こうなるんだったら、もっと……積極的になれば良かった。









< 234 / 561 >

この作品をシェア

pagetop