同居人はNo.1ホストー3ー完
そして、とうとう……尚希と別れる日が来てしまった。
壁に掛かっている時計の針が、動く度にカチカチと鳴る。
その音を聞く度にあたしの気持ちは、焦り落ち着きがなくなる。
あたしは、それを誤魔化す為にー……
「ねぇ、今日って仕事休みなの?」
ソファーに座り隣で、雑誌を読んでいる尚希をチラッと見て聞く。
「昨日、言ったじゃねぇーか。
明日は、休みだって」
あれ……そうだっけ……
全くって言って言い程、覚えていない。
「そっか……」
じゃあ、後……
もう少しだけ一緒にいれられるのか。
最後くらい……良いよね?
素直になっても。
あたしは、何も言わずに尚希の肩に寄っかかる。
そんな、あたしの行動に少しだけ驚いた表情を見せる尚希。
「何だ、今日は随分と積極的だな」
今日は……か……
こうなるんだったら、もっと……積極的になれば良かった。