同居人はNo.1ホストー3ー完
ねぇ……お願いだから……そんな顔しないでよ……
そんなー……悲しそうな表情しないで。
せっかく、決心したんだから。
「…………好きだよ」
嫌い……って言えたら良いのに……これだけは、嘘付けない。
こんな中途半端な答えで、ごめん。
でも……これだけは、嘘じゃないよ。
「意味……分かんねぇーよ……
何だよ……好きって……!!
じゃあ、何で別れるなんて言うんだよ!!」
「好きだから、尚希と別れるの」
あたしは、そう言って昼間にまとめておいたバッグを手に持つ。
「荷物……後で、取りに行くから。
それまで、置いてて」
あたしは、そう言ってリビングのドアノブを握る。
「おい、どこ行くんだよ……!!」
「どこって……出て行くの。
だって、もう別れたんだから」
あたしは、震えた声を必死に抑えて平常心に振る舞い尚希を見ずに答える。