同居人はNo.1ホストー3ー完
12年間の闇
あたしは、エレベーターを降り一階にあるロビーを出て外へと出た。
真冬の外は、とても寒く息を吐く度に白い煙のようなものが真っ暗な空に上がる。
「寒…………」
あたしは、そう小さく呟いて手袋をしていない手を口に近付けて息を吐き温めた。
「ハァー……ハァー……………」
これから、どうしよ。
マンションを出てってからのことなんて、ちっとも考えていなかった。
だって、そんなこと……頭の中に一ミリも入って来なかった。
そんなことより、尚希のことで頭が一杯。
とりあえず……今日、泊まる所を探さないと。
そう思ったあたしは、バッグの中から財布を出しお金を確かめる。
こんなにあるし……ホテルとかに泊まっても普通に一週間は、過ごせるよね。
しばらく泊まる所が、決定し止めていた足を一歩出すとー……
「…………み……!
なつ………み……!!」
どこからか、誰かの声が聞こえて来た。