同居人はNo.1ホストー3ー完
本当に、あたしは馬鹿だ。
こんな、あたしを……
大切に思ってくれて……必要としてくれる奴に出会えたのに……
自分から捨てようとしていた。
あたしは、誰かに大切に思われたかった。
あたしが、必要だと誰かに言って欲しかった。
やっと……あたしをそう思ってくれる奴に出会えたのに。
あたしは、そんな尚希を見て……
話そうと思った。
高宮さんのことや……店のこと……そして、高宮さんが出した条件を……
「尚希……あたし……」
あたしが、口を開けるとー……
(尚希さん)
尚希の名前を呼ぶ女の声が、した。
尚希に抱き締められていて、顔は見えないけど声で分かった。
あたし達の直ぐそこにいる女が、誰かを。
「麗子………」
尚希は、そう言ってあたしをソッと離した。