同居人はNo.1ホストー3ー完
遠く感じている意識が、段々とハッキリとし目を覚ました。
「………あれ……あたし……っっ…痛!」
目が覚めて起き上がると、何故か頭に痛みを感じた。
するとー……
「おい、目覚めたか?」
真上から尚希の声がし顔を上げると、腕を組んで見下ろす尚希の姿があった。
「あっ……うん」
返事をすると、尚希は無言のままソファーに座る。
「…………………………………」
あたしが、黙ったまま俯いているとー……
「別に、言いたくねぇーなら無理して言わなくて良い」
えっ………??
尚希の意外な言葉にあたしは、顔を上げる。
「俺は、お前のことを一番知りてぇーし大切に思ってる。
けど……お前が、無理に話して傷付くことは……俺は、望んでない」
「尚希……」
そんな尚希の言葉や優しさに、あたしの心はほんのりと温かくなった。
いつも、意地悪で生意気で俺様なコイツは……時々、別人みたいに優しい。