同居人はNo.1ホストー3ー完
あたしは、握っていた色鉛筆をテーブルの上に置き洗濯物を畳むママの元へ駆け寄る。
「じゃあね……捺海、ショートケーキが良い!!
苺いーっぱいのショートケーキ!
それと、ママが作る唐揚げ!!」
(去年もショートケーキじゃなかった?
チョコレートケーキじゃなくって良いの?)
「うんっ!!」
すると、ママは洗濯物を畳み終えるとあたしの頭に手をポンッと置いた。
(捺海は、本当にショートケーキが好きね。
じゃあ、今年の誕生日ケーキはショートケーキにしようか)
ママは、あたしの頭を優しく撫でながら
満面な笑顔を見せた。
「絶対に約束だよ!?」
(うん、約束(笑))
後、少しで……あたしは六歳になる。
あたしは……桜の咲くあのピンク色に染まる季節が、待ち遠しかった。
だけど、この小さな幸せが……
パパによって、一瞬にして壊れてしまうなんて……
この時のあたしは、知る由もなかった。