同居人はNo.1ホストー3ー完









 
あたしは、大きな窓に顔を押し付けて一本の大きな桜の木を見上げる。




 

 

枝の先っぽにある芽は、後少しで綺麗なピンク色の花を咲けそうだ。








この頃のあたしは、桜が好きだった。







風に吹かれたら呆気なく散る桜。






だけど、ピンク色の可愛いハート形の花びらが空に舞うピンク色に染まった光景は……






見た者の心に大きく残す。







そんな綺麗で、儚い桜が大好きだった。

  



 

(捺海、窓に顔を付けないの) 







ママは、そう言って棚からお皿を出す。








「ねぇ、ママ。



もう少しで、桜が咲きそうだよ」







ママに注意されたことを無視して話しかけるあたし。






そんなあたしを見て呆れた声を出しながらもあたしと一緒に窓を覗くママ。






(もう、ちゃんとママの話しを聞きなさい。



あっ、本当……捺海の言った通り桜の花が咲きそう)








そんなママの言葉にあたしは、隣にいるママの方を向く。








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