同居人はNo.1ホストー3ー完
少なくとも、あたしはそんな物はいらない。
寧ろ、欲しくもない。
そんな物に望み憧れ縋り付く馬鹿な奴は、しょせん騙されて良いように利用されるだけ。
だから、そんな馬鹿な奴等を今度はあたしが利用してやるの。
あたしは、空を見上げるのをやめて再び歩きだした。
そして、手に持っていた携帯の画面を見つめる。
「今日は、誰を利用してあげようかな……」
この時のあたしは、まだ17歳になったばかりの……春の季節。
そう……あたしは、まだこの時……気付いていなかった。
ある一人の男によって、あたしの人生が大きく変わることに。
17度目の春……
あたしは、アイツと……
小野原尚希と出逢うことになる。
春の季節には、決して似合わない真っ黒な曇り空が広がる雨の日に。
だけど、あたしと尚希が出逢うのはー……
後もう少し経ってからの話。