同居人はNo.1ホストー3ー完
でも、それとは真逆にそれに反抗する自分がいる。
その原因は、きっと……ママの死やあの頃の地獄のような日々が原因だろう。
幼く何も知らなかったあたしの目の前で、倒れいなくなってしまったママ。
ママとパパの冷めきった夫婦と言う形だけの冷めきった愛。
信頼している人を呆気なく捨て裏切る人。
そんな光景をあたしは、見飽きるほど近くで見てきた。
だから、分かるんだ。
絶対、何がなんでも、大丈夫。
そんな言葉は、必ずしもそうだと言う保証はない。
必ずそうだとしたら、人は傷つき悲しんだりはしない。
「じゃあ……信じなくていい」
えっ……?
尚希の言葉に驚き俯いていた顔をあげる。
「それって……どう言うー……」
「だから、俺のこと信じなくていい。
お前が、俺のことを信じられなかったら信じなくていい。
ただし……お前が、俺のことを信じてもらえるようにする」