同居人はNo.1ホストー3ー完
けど、その恐怖の端にママとの幸せな日々の記憶もあった。
ママとの楽しくって幸せだったあの頃を思い出していると鼻の奥が、ツンッとした。
「……っ……うっ…………」
そうだ……あたし。ママに愛されていたんだ。
幸せに感じることもあったんだ。
恐怖や悲しみや苦しさや憎しみが、大きすぎて幸せなことも……ママに愛されていたことも忘れていた 。
なんで、忘れてしまってたの?
あんなにも幸せで温かったのに……
忘れては、いけない記憶。
それは、人なら必ずしも一つはあるのかもしれない。
あの頃のあたしは、ママから見て一体どんな風に見えていたんだろう。