同居人はNo.1ホストー3ー完
あたしは、抱き締められながら両手を尚希の広い背中に回し顔を胸に押し付けた。
「…………ヒクッ…バカ。冗談で言うなぁ……!尚希のバカ野郎っ……」
「あーはいはい。
ごめんって……マジにすんなよ」
顔を尚希の胸に強く押し付けるたびに、尚希の匂いがした。
その匂いをにかぐ度に上がっていた気持ちが段々と落ち着きを戻す。
「……尚希っ……」
「なんだよ」
「……あり…がと……」
あたしは、涙を流しながら尚希にそう言った。
「……おう」
なんとも尚希らしい不器用な返事をしあたしをさらに強く抱き締めた。
ギュッ……
「……今から俺が、言うことは独り言だから気にすんな」