同居人はNo.1ホストー3ー完
「あたしにちゃんと向き合ってくれた。
そのおかげでね。あたしやっと決心ついた」
あたしは、もう……過去を恐れたりはしない。
残酷で真っ黒な過去をちゃんと受け止められる。
「前に進みたいの。
だから、お願い……あたしと一緒に来てほしいの。あたしの決心を……あたしの全てを尚希に見届けてほしい」
周りから見たらあたしの決心は、どうでもいいかもしれない。
大げさとか……そんなこと思われるかもしれない。
けど、いいの。それでも……
尚希は、あたしを見つめたまま返事を言わない。
その返事を待つ間……あたしの腕は、微かに震えていた。
震えていた右腕を押さえている時……あたしの呼吸は、少し苦しかった。
「…………何、言ってんだよ。本当、お前ってバカ。一緒に行くに決まってるだろ。
俺は、お前だけのもん……だろ?」