同居人はNo.1ホストー3ー完
ホストNo.5の秘密
「ご、ごめん……あたしよそ見してて」
ぶつかってしまったことに謝るけど甲斐くんは、表情一つ変えずにあたしをただ見つめた。
かと思うと今度は、あたしの頬に触れて来た。
「お前……」
なぜ、甲斐君があたしの頬に触ったのか直ぐに理解した。
それはー……目から溢れ頬に伝わる涙。
「た、たいしたことないよ。ただ、ちょっと嫌なことがあっただけだから……」
あたしは、そう言って目から溢れている涙を裾で擦る。
「……尚希のことだろ?」
ドキッ……
甲斐君の口から尚希という名前が、出て胸がドキッとした。