同居人はNo.1ホストー3ー完
堅苦しい食事会を終え屋敷に入ると車椅子に座っている母親が、俺を出迎えていた。
「尚希、おかえりなさい」
母親の優しい笑顔と声に俺の心は、安らぎを感じていた。
「……部屋から出ていいのかよ」
「大丈夫よ、屋敷の中なんだから。
それに、私の側に沙原がいるから平気でしょ?」
俺と同じで……母親も鳥の籠の中。
屋敷の庭しか出れなくって常にベッドに横になり薬を飲む生活。
俺が……生まれてこなければ、こんな軟弱な体にならなくってすんだんだよな。
そしたら、母親の好きな花のガーデニングもできるし旅行もショッピングだって出来る。