同居人はNo.1ホストー3ー完
あたし達の愛情表現
あたしを見つめる人たちの熱い視線と緊迫が、痛いほど伝わる。
ドキドキ……
目を閉じる度に感じる。ドキドキと動く鼓動。
「スゥーハァ……」
緊迫した静かな会場を破るかのように、あたしは深呼吸をし綺麗なピアノの音を奏でる。
実は、あたしはピアノ初心者。
音楽なんて全然、分からないし楽譜だって読めない。リズム感もないし……
だから、甲斐くんに本当に飽きられた。
けど、尚希の為に……あたしは死ぬもの狂いで練習した。
その結果、あたしは今こうして大きな会場と大勢の人の前で披露している。
甲斐くんのおかげだよ。本当にありがとう……