同居人はNo.1ホストー3ー完
そして、気付くとーー
ピアノの演奏は、いつの間にか終わり会場からは大きな拍手が響き渡っていた。
……終わった。
そう思った瞬間、会場に響き渡る拍手に全身に入っていた力が一気に抜けた。
拍手をする人達に深くお辞儀をし顔を上げた瞬間、あたしは硬直してしまった。
だって、そこには……
あいつがいたから。
「尚希……」
そう小さく呟いて尚希を見つめていると尚希と目がバッチリ合う。
ドキッ……
目が合った瞬間。胸が、ザワザワした。あんなに大きく聞こえていた歓声や拍手が一瞬にして遠くへと消えてしまった。