同居人はNo.1ホストー3ー完
まるで、二人だけの世界にいるみたいに。
「曖芭捺海様、ありがとうございます。さぁ!みなさん。次はー……」
司会者の言葉にあたしは、ハッと我に返り急いでステージを下りる。
「捺海さん……」
低い声で、そう呼びワインが入ったグラスを手にしてツカツカとヒールの音をたてて近づいてくる麗子さんの姿が。
「…………」
相変わらず怖いなーこの女。綺麗な顔してるくせに……こんな奴が、尚希の妻になるなんてアイツも可哀想だわ。
そんなことを思っていると、麗子さんは空いてる手を伸ばしー……
「……あなたの演奏、とても素敵だったわ。プロ顔負けの腕前ね」