同居人はNo.1ホストー3ー完
シーンとしていて幽霊屋敷に何とも妙な雰囲気が漂う。
少しだけ肌寒いのが、リアルに感じる。
って言うかー……
あたしは、呆れてため息をつきながら後ろを向いた。
「ビビり過ぎでしょ?尚希。」
「びっ、ビビってねぇーよ。」
いやっ、完全にビビってんじゃん。
だって……
「じゃあ、何であたしの腕を握りしめているの?」
「暗いから、お前がはぐれないようにするためだよ……!!」
うわっ、プライド高っ!!
正直に言えば良いじゃん。
って言うか、みなさん……
こんなカップルがありますかぁ!?
幽霊屋敷で、彼女が先頭を歩き彼氏は彼女の腕に縛り付くカップル。
こんなカップルめったにいないよね。
でもー…………
「おっ、お前……俺様から離れるなよ。
絶対だからなっ……」
キュン……
何なんだよ!!
その、ツンデレみたいなのはっ!!
尚希は、少し弱々しい声で言ってあたしの腕を力強くギュとする。
あぁ、ヤバい……
可愛い過ぎます。
ハッ……!!
もしかして、コレがー………
世で言う………
ギャップ萌!?
今まで、そんなのに興味なかったけど……
そっか、コレがギャップ萌っと言う意味かっ!!
そんな、のんきなことを考えながら歩いているとー……
(ヒクッ……ヒクッ…………)
どこからか、女の泣き声が聞こえて来た。
けど、薄暗くってどこにいるのかよく分からない。