同居人はNo.1ホストー3ー完
素直になれない気持ち
「フゥー………」
お風呂を出て濡れた髪を柔らかいタオルで優しく拭きながら寝室に向かうあたし。
尚希との初デートから、あれから数週間が経った。
最近、変わったことと言えば1つしかない。
ガチャ……
「あれ……まだ起きてたの?」
「あ?
待っててちゃいけねぇーんかよ。」
もう、時刻は夜中の1時だと言うのにベッドに横にならずに座っている尚希。
「別に悪くないけど……」
あたしは、そう言いながら引き出しを開けてドライヤーを出した。
するとー……
「髪、濡れてる。」
「うわっ!?」
いきなり、背後から尚希の声がして振り返ると尚希は、あたしの濡れた髪を触っていた。
びっ、びっくりしたぁー……
ったく、もう……心臓に悪いよ。
そう思いながら、ドキドキしていた鼓動を落ち着かせる。
「髪、やってやるよ。」
そう言って持っていたドライヤーを奪い取った。
「えっ、うん……」
いきなり、尚希からそんな言葉を聞いて正直驚いた。
ベッドに座って髪を乾かしてもらう。
最近のコイツは、変わった。
いつもみたく俺様で生意気な奴だけど、最近優しい時がある。