同居人はNo.1ホストー3ー完
あの手で……あの引き締まった体で……
あの女を………
あの声や……甘い言葉やキスも……強引に抱くあの感覚も……全部……全部……
あたし以外の女に触れたの……??
あの温かく全てを忘れられるような体温も……あたし以外の女に……
あたしが、見て感じていた物全てを……
他の女も……味わったの??
あたしは、寄りかかっていた体を起こして席に向かった。
周りの騒がしい声や独特のお酒の匂いは、あたしの意識には入って来なかった。
ただ、意識に入っていたのは今自分が見ている光景だけー…………
「…………っっ…………」
尚希の膝に乗り細い腕を首に回してキスをしようとしている女と尚希の光景だった。
さっきまで、動いていた体は金縛りにあったかのように突然動かなくなった。
……嫌……嫌だ………
あたし以外の女に触れるなんて……
許さない……
そう思った瞬間、金縛りにあったかのように動かなかったあたしの体は気付くとー……
グイッ……!!
(キャッ……!?)
あたしは、尚希に抱き付いている女を思いっ切り引っ張った。
「やめ…て………やめてよ………」
震える声で俯きながら言うあたし。
それを見ている尚希の視線。