同居人はNo.1ホストー3ー完
何の為に、俺は家を出たんだよ。
パーティーなんか行ったら……
今までの俺の苦労は、全部……水の泡だ。
でも……
前回のパーティーで、行った麗子の言葉………アレは間違ってはいない。
麗子は、俺の婚約者。
しかも、政略結婚。
この結婚には、小野原財閥グループの未来がかかっている。
それに、結婚なんてしないと拒否しても……きっと結果は変わらない。
だって、俺の親父は手段を選ばないのだから。
財閥の為なら誰かを犠牲にしても……例え………大切な者を傷付けてでも。
そして、親父は自分の命を……
財閥に全て尽くしている。
最初の頃の俺の考えなんてものは甘かった。
満里南と結婚すると決めて……分かった。
あぁ……俺は……もう自由にはなれないんだ。
麗子と親父の手段を選ばない手口……
その体験をして俺は、もう自由にはなれないことを改めて思い知らされた。
俺は、昔のことを思い出しながら裏口を出て煙草に火を付けた。
もう、冬に近付いている夜の外は凄く肌寒い。
「寒ぃ……」
いつか………アイツと……捺海と別れを告げる日が来る。
それだけは、今分かる。