同居人はNo.1ホストー3ー完
尚希の……誕生日パーティーか……
そう言えば、あたし達……
付き合ってから1ヶ月経つけど、お互いの誕生日とかプロフィール的なこと何一つ知らないよね。
「ねぇ、尚希。
もう少しで誕生日だけど……」
すると、ずっと黙っていた尚希が口を開いた。
「行かない。」
まるで、小さい子供が拗ねているような声を出す尚希。
ってかー……
何故!?
何で、行かないっ!?
誕生日パーティーだよ!?
一年に一回しかないイベントなのに!!
しかも、アンタ……財閥の息子でしょ?
結構、来るんじゃないの??
客とかさっ……!!
なのに、断ったら駄目でしょうがっ!?
「何、言ってんの??
駄目に決まってんじゃん。
アンタの誕生日パーティーなんだよ?」
そう言って、あたしは注文したイチゴパフェを食べた。
「面倒くさい。」
尚希は、面倒くさそうな表情をして窓を見つめた。
せっかく祝ってくれる人がいるのに……行かないなんてさっ、寂しくない?
誕生日か………
あたしは、もう誕生日なんてものは祝ってもらっていない。
あの人が……ママが、いなくなってから誕生日なんて特別な日は消え去った。
自分の誕生日に近付くと、いつも無意識に思い出す。
小さい頃に祝ってもらった誕生日をー……