奔放彼氏。
「……っ」
そんなこと、言って欲しいんじゃないのに。
気付いて、よ。
「…お前が別れたいんなら、それでもいいけど」
「………い…もんね…」
「は?」
「翔ちゃんはどうせ、あたしのことそんなに好きじゃないんだもんね」
だから、別れてもいいなんて、すぐに、言えるんだ。
あたしが好きになって、あたしが付き合ってって言った。
…翔ちゃんは…きっと、違うんだ。
それはあたしがずっと思ってた事だった。
「…お前それ本気で言ってんの?」
バスタオルからちらりと彼を見たら、怖い顔であたしを見てた。
何で、そんな顔するの?
「なんで、そんなこというの…?」
「こっちの台詞だっつの。何なの、お前」
何で彼が怒るのか、わからなかった。