危険な瞳に恋してる
 わたしの言葉に、薫ちゃんの瞳が、キラリと光った。

「あたしの好みは……どっちかと言うと、女の子の方よね。
 趣味でこんな格好しているけど」

 薫ちゃんは、片目を瞑った。

「何年か前。
 あたしと紫音ちゃん、兄弟になる予定だったから……
 弟になるはずだったヒトの恋人が、男なのが嫌なだけよ。
 男ばかり三人集まったら、相当ムサいわ。
 鼻つまみモノよ?」

「ええっ……!
 兄弟って……!?」

 薫ちゃんは、ちょっと笑うと、真面目な顔で驚いているわたしをみた。

「色々、話し過ぎちゃったわ。
 それで。
 春陽ちやんの方は、どーなのよ?
 紫音ちゃんに……無理なコトされなかった?」

 薫ちゃんに言われて、顔がボン、と赤くなる。

「えっ……と、その……
 色々、誤解は解けたみたいな……」

 ちゃんとしたキスは、まだだけど。





 あれは……。





 わたし。






 紫音の側にいて、いいんだよね。





 ……そうだよね?
 
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