危険な瞳に恋してる
 父さんは、すっかり喫茶店だと思っているみたいだし。

 面倒な。

 余計な誤解は、解かない事にした。

 ちょっと心は痛んだけれど、ウソは、まったくついてない。

 ただ。

 ……真実を言わなかっただけだ。

 ほんのちょっとだけ。




 それにしても。

 あの、父さんが。

 こんなにあっさり、バイトを許してくれるとは、思わなかった。

 もしかして、わたし。






 父さんのコト……少し誤解していた、のかな?

 なんでも、頭ごなしだと思い込んで……

 父さんときちんと話をしてこなかった……のかも…………



 ……話をしてみようか。



 もう少しぐらい。



 父さんのコトは、世界で一番キライだったけど。



「世界で一番」ってところぐらいは。



 取ってあげようかな……?
 
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