危険な瞳に恋してる
「やぁ、村崎。
 遅かったじゃないか。
 きのう、僕が教えたとおり十分前には……って、すげ、気合入ってるなぁ」

 あきらクンが、紫音の格好を見て、目を丸くした。

「村崎先生って……
 実は、イケメンだったんだねぇ……」

「でしょ?
 でしょ?」

 呆然と見ている、柴田を見て、自分の顔が、ほころぶのが判る。

 紫音もまた。

 今日の服に気合が入っているのが判る。

 紫音は、わたしの予想通り、黒を基本に、シルバーのアクセでデコっていた。

 屋外で遊ぶ事をちゃんと意識して。

 良く見れば一杯光りモノをつけているのに、ナゼかとても身軽に見える。

 曇っているとはいえ、陽の光の下で見る紫音の瞳は、やっぱり黒かったし。

 いつもの雫の形のペンダントは、して来なかったけれども。

 今日の紫音も、立派な獣だ。

「カッコいいでしょ~~?」

「カッコいい~~!
 すごい~~!
 春陽ったら、見る目ある~~!」
 
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