危険な瞳に恋してる
「それは、僕のアドバイスが良かったからだっ!」

 あ、あきらクン、スネた。

 わたしと、柴田が、あんまり、村崎センセぇカッコいい! を連発するんで、嫌になったらしい。

「それに、趣味は悪くないけど、なんとなくホストっぽいカッコじゃないか」

 ……だって、ホストだもん。

「でもでも、あたしは、あきらクンの方が好き、だからっ!」

「本当!?」

 あ、柴田に言われて、機嫌直った。

 宮下センセ……単純だなぁ。

 やっぱ、先生ってよりあきらクン、で十分だ。

 二人のやり取りを、黙って聞いていた紫音が、わたしにそっと囁いた。

「……少し、遅くなった。
 待たせたか?」

「ううん。
 ぜんぜん。
 だって、紫音が来たの、待ち合わせ時間ぴったりだもん」

「あー二人だけで、秘密のお話してる~~
 あたしも混ぜてよ~~」

 紫音との会話を、めざとく見つけた柴田が、会話に飛び入りしかけたのを、あきらクンがひょい、と止めた。

「待てよ。
 それより、村崎の呼び名を決めようぜ」

「え~~村崎先生、でいいじゃない」

 柴田が、頬を膨らませた。

「だからぁ、こーいう時は『先生』って無しにしようぜって」

「村崎さん、じゃダメなの?」
 
 
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