危険な瞳に恋してる
 



 うっぎゃゃやぁぁぁ~~!



 闇に響き渡る、男声の悲鳴は。

 ……紫音のものじゃ無い。

 あきらクンだ。

「……なんだコレ、ハンソク、反則~~」

 腰を抜かさないだけマシで、指差すその場所には。





 ……人魂みたいな、光が、二つ。

 ぼうっと輝いていた。

 その。

 紫色の、小さな人魂は。

 ちかっと、一回だけ点滅すると、ため息をついた。

「……だから、暗い所は、嫌だったんだ」

 紫音の声だ。



 紫色の人魂の正体は。







 ……紫音の瞳だったんだ。

 
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