危険な瞳に恋してる
「……なんだ、なんだ?
 昼間の顔に、刺激的な夜?
 遊んで暮らせる金って……?」

 わたしたちの話を中途半端に聞いた、あきらクンがクビをかしげた。

「ああ。
 なんでもない」

 素っ気ない紫音に、あきらクンは絡む。

「なんでもないワケがあるか。
 面白そうな話じゃん。
 もっと詳しく、話して聞かせろよ♪
 教えてくんなくちゃ、くすぐるぞ?
 そら、こちょ、こちょ、こちょ~~~」

「ば、莫迦!
 何をする……!」

 紫音が、あきらクンの魔の手から、身をひねって逃げだした時。

 ぽつっ、と空から何か降って来た。



 ……雨だ!



 今まで、天気がなんとかもっていたけれど、とうとう降って来たんだ。

「ヤバいな……おい、宮下。
 莫迦なコトをしてないで、片付け手伝え」

「お、おう」

 がさがさがさっと、荷物をまとめて、みんなで売店の軒下に非難したとたん。

 雨は、本降りになってしまった。

 
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